西浦地区小茅(エヒメアヤメ)

エヒメアヤメの自生南限地域のひとつ

防府市西浦地区小茅にあるエヒメアヤメの自生地は、下関市(山口県旧豊浦町)、三原市(広島県)、松山市(愛媛県)、佐賀市(佐賀県)、小林市(宮崎県)の自生地とともに『エヒメアヤメ自生南限地帯』として、国の天然記念物に指定されています。 通常は立ち入り禁止です。一般開放の期間中のみ入ることができます。 令和6年度の一般開放は終了しました。 お問い合わせは、[電話]0835-25-2237(防府市文化振興課)へお願いします。

基本情報

見どころ

景色

  • エヒメアヤメは、茎の長さが10cm前後、花の大きさが5cm程度のきわめて小さなアヤメです。4月上旬の開花時期には可憐な藍紫色の美しい花を見ることができます。
写真:エヒメアヤメ自生南限地帯
写真:エヒメアヤメ自生南限地帯説明看板

【説明看板記載内容】

国指定天然記念物

エヒメアヤメ自生南限地帯

大正十四年十月八日指定

防府市大字西浦

 エヒメアヤメは朝鮮半島、中国東北部を中心に自生するアヤメ科の多年草で、四月の中旬頃、直径五センチ前後の藍紫色の花を咲かせます。葉は狭線形で先端が尖り、長さが三十センチ以上になることもあります。花が終った後にできる小指の先ほどの実が割れ、中の種が地面に落ちることで広がります。種子の散布力が低く自生の広がりのスピードが遅いことから、かつて日本列島がユーラシア大陸と陸続きであった植物学的な証拠として貴重な存在とされています。

 日本は自生の南限にあたり、西浦のほかに山口県下関市、広島県三原市、愛媛県松山市、佐賀県佐賀市、宮崎県小林市の自生地が「エヒメアヤメ自生南限地帯」として国の天然記念物に指定されています。

 西浦のエヒメアヤメはかつて広い範囲に成育していましたが、現在は指定地以外ではほとんど見かけなくなりました。指定地内でも一時は激減しましたが、多くの人々の尽力により株数を増やしつつあります。

 五六二二平方メートルのこの西浦の自生地には、約一五○種の植物が生育しています。エヒメアヤメの保存にあたっては「自生南限地帯」として、エヒメアヤメだけでなくその生育環境全体を守ることが重要となっています。

平成二十八年三月

山口県教育委員会

防府市教育委員会