野村望東尼 寄寓の家・関連の地

野村望東尼

幕末の女流歌人・野村望東尼の足跡をたどる

野村望東尼は、高杉晋作や楫取素彦とも深い交流があった、幕末福岡出身の勤皇の歌人です。
福岡での幽閉生活から助け出されて長州に赴き、倒幕に向かう薩長軍の戦勝を防府天満宮に祈願するため、三田尻本町の豪商荒瀬家に身を寄せ、ここで62年の生涯を終えました。
防府市内には、望東尼の足跡をしのぶことができる場所がいくつも残っています。

基本情報

野村望東尼 寄寓の家

望東尼が身を寄せた荒瀬家のなかで、実際に起居していた「離れ」の建物を移築したものです。
その後に増築され外観は変わりましたが、内部には座敷・茶室・奥の間に二階を備えた望東尼が起居していた当時の建築が残っています。
望東尼命日の11月6日のみ、ゆかりの品等とともに限定公開しています。

寄寓の家前の記念碑(史跡指定時の建立)
寄寓の家前の記念碑(史跡指定時の建立)

以前は「野村望東尼終焉の宅」の名称で県指定の史跡となっていました。終焉の場所は不明確であるとして現在指定は解除されましたが、望東尼が起居した時期があり、また幕末の豪奢な邸宅の遺例であることから、市が管理しています。

茶室の外側から座敷を望む
茶室の外側から座敷を望む
座敷の天井
座敷の天井

楫取素彦の墓

「寄寓の家」のそばに「大楽寺」があり、望東尼とゆかりの深い楫取素彦がここに眠っています。

楫取素彦の墓(大楽寺)
楫取素彦の墓(大楽寺)

野村望東尼墓(県指定史跡)

大楽寺から入って、10分ほど歩いた先の市営墓地の一画にあります。
墓碑の裏には、楫取素彦の撰文が刻まれています。

野村望東尼墓(県指定史跡)
野村望東尼墓(県指定史跡)

野村望東尼終焉の宅跡(県指定史跡)

 望東尼が身を寄せた荒瀬家の跡地で、現在は門のみが往時の姿をとどめています。

野村望東尼終焉の宅跡(県指定史跡)
野村望東尼終焉の宅跡(県指定史跡)

所在地

寄寓の家(荒瀬家離れ移築地) 山口県防府市岡村町5-3
大楽寺(楫取素彦の墓)    山口県防府市桑山1丁目5-10
墓               山口県防府市桑山1丁目4
宅跡(荒瀬家跡地)      山口県防府市三田尻本町10-2