周防国分寺
およそ1200年の歴史と数多くの文化財を有する歴史的価値の高い寺院
周防国分寺のなりたち
国分寺の創建
西暦741年(天平13年)、聖武天皇(しょうむてんのう)の詔(みことのり)により、国家の鎮護と国民の景福を祈願するため、国ごと、およそ60か所に国分寺が創建されました。
周防国分寺
周防国分寺の正確な創建時期は不明ですが、西暦756年(天平勝宝8年)の「続日本紀」の記述の中に登場することから、この頃にはある程度完成していたと考えられています。
西暦1417年(応永24年)、金堂のほか伽藍(がらん)の多くが火災で焼失しましたが、4年後の西暦1421年(応永28年)には、当時防府を治めていた大内盛見(おおうちもりはる)が金堂を再建し、西暦1503年(文亀3年)には大内義興(おおうちよしおき)が金堂や仁王門などを修復しました。
毛利氏の時代には、西暦1596年(文禄5年)の毛利輝元(もうりてるもと)による仁王門の建立、西暦1642年(寛永19年)の毛利秀就(もうりひでなり)による金堂などの再建をはじめ、西暦1779年(安永8年)の毛利重就(もうりしげたか)による金堂の再建などが行われました。
このように防府を治めた歴代国主の保護を受け、周防国分寺の歴史は受け継がれてきました。
近年では、西暦1997年(平成9年)〜2005年(平成17年)に、金堂の保存修理(平成大修理)が行われ、その際の発掘調査により、金堂の位置が創建当初からの1000年以上、同じ場所にほぼ同じ規模で存在していることが証明されました。
これは諸国の国分寺の多くが、長い年月の間に廃絶や場所を移動をしている中で、きわめて珍しい例であり、数多くの文化財を今なお有していることから見ても、周防国分寺は大変貴重な存在だといえます。
見どころ
建造物
重層入母屋造の仁王門は山口県文化財、二層入母屋造の金堂は国の重要文化財に指定されています。
写真:仁王門
写真:金堂
周防国分寺所蔵(主要)
木造薬師如来坐像 国指定重要文化財
木造日光菩薩立像・月光菩薩立像 国指定重要文化財
木造四天王立像 国指定重要文化財
木造阿弥陀如来坐像 国指定重要文化財
後奈良天皇宸筆心境 及び歴代天皇の御歳書、御撫物 国指定重要文化財
お祭り
年間を通し行事が行われます。
写真:聖天尊大祭
写真:薬師大法要 柴燈護摩
景色
金堂に鎮座する本尊・薬師如来を参拝し、災いや厄を“滑り落とす”という意味を込め、境内には約130本の「さるすべり」が植えられています。 7月中旬から咲き始め、8月頃に見頃を迎え、10月中旬まで楽しむことができます。
写真:境内に咲いたさるすべり
公式サイト
基本情報
- 名称
周防国分寺(すおうこくぶんじ)
- 住所
山口県防府市国分寺町2-67【地図はこちら】
- 電話番号
0835-22-0996
- アクセス
- 山陽自動車道防府東I.C.から車で20分
- 山陽自動車道防府西I.C.から車で20分
- JR防府駅てんじんぐち(北口)から防長バス阿弥陀寺行き【国分寺】下車徒歩5分
- 駐車場
あり(乗用車15台、バス2台)
◆周防国分寺金堂
- 開館時間
9:00~16:00
- 休館日
月曜日(月曜日が祝祭日の場合は、次の日が休館)
- 拝観料
大人500円、中学生以下300円
団体(20名以上)大人400円、中学生以下250円- 主な年間行事
毎月1,16日
聖天尊縁日毎月8日
薬師如来縁日1月11日
万巻心経会4月第1土曜
聖天尊大祭8月16日
孟蘭盆 施餓鬼供養9月21日
弘法大師供養法会四国八十八ヶ所お砂踏み11月第1土曜
薬師大法要 柴燈護摩(やくしだいほうよう さいとうごま)